アコースティックギタリスト押尾コータロー(50)とインストゥルメンタルギターデュオ・DEPAPEPEのコラボレーションユニット「DEPAPEKO(デパぺコ)」が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、Jポップの人気ナンバーをカバーしたユニット初のアルバム「PICK POP! ~J-Hits Acoustic Covers~」(9月19日発売)をPRした。

02年に日米メジャーデビューを果たした押尾と、05年にデビューした徳岡慶也&三浦拓也によって結成されたDEPAPEPEは、10数年来の付き合いになると言い、互いのライブに毎年1回はゲスト出演し合い、セッションを繰り返してきた。

押尾は、DEPAPEPEの音楽について「2人で完結していてすごいし、スタイルもかっこいい」と感じていた。しかしセッションを繰り返すうちに、「自分にも(演奏の中に)居場所があるな、これは面白い」と3人での演奏に可能性を感じた。

今年2月に行われたDEPAPEPEのバレンタインライブでは、Perfumeの人気曲『チョコレート・ディスコ』をセッション。「3人(の演奏)ならとてもいい感じになるのではないか」と思い曲を選んだ。スピーディーなテクノ調の楽曲、しかも歌詞のないギターメロディーでの表現だったが、オーディエンスの心をわしづかみにして、高い評価を得た。

その理由について、三浦は「うまく役割分担できたことでしょうか。ただ単に一緒に弾くだけではなく、ここまで細かく打ち合わせしたことはない」と分析。押尾が「弦楽三重奏で例えるなら、僕がチェロ、三浦くんがビオラ、主旋律のバイオリンは徳岡くんかな」と話すように、高い演奏技術を持つ3人が、自分の役割を認識した上で、ほかの2人のメロディーに絡みに行き、響き合い、原曲とは違った魅力を引き出す。押尾の超絶タッピング奏法とDEPAPEPEのアルペジオアンサンブルは、まるで「ギターが歌うようだ」と称される。

「それで、せっかくだからカバーアルバムを出そうと盛り上がって、あっという間にできました」と徳岡が笑顔で話す1枚は、それぞれ演奏したい曲を持ち合い選曲した。星野源『恋』から少女時代『Gee』、梅沢富美男『夢芝居』まで世代もジャンルも超えた幅広いカバー9曲と、押尾の『翼』、DEPAPEPEの『START』と、アルバム用に書き下ろした『For You』の合計12曲を収録。聴き応え十分の1枚に仕上がった。 三浦が「例えば自分達の曲『START』を普段のスタイルで弾いても、押尾さんは更に違うパートを弾いてくれる。曲がパワーアップするイメージ」と評するように、アルバムの出来にも手応えを感じている。

このアルバムを引っ提げて、東名阪クアトロツアーも開催する。11月19日が渋谷、同26日が名古屋、同27日が梅田で、一般発売は10月13日。詳細は押尾、DEPAPEPEの公式サイトを参照。アコースティックギターだけのセッションとしては国内最高峰のレベルを堪能できる。