日本テレビ系連続ドラマ「今日から俺は！！」（日曜午後10時半）に主演している賀来賢人（29）がデビュー後に味わった苦労を明かした。ニッカンコムの単独インタビュー第2回で、俳優として葛藤を抱えた日々を振り返った。

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07年に映画「Little　DJ～小さな恋の物語～」で俳優デビューした。それほど大きな役ではなかったが、女優賀来千香子（56）の甥（おい）だったこともあって注目された。その後もジャンルにこだわらず、映画、ドラマ、舞台などに幅広く出演した。順調そうに見えるが、あっさりと否定する。

「実はもっと、とんとん拍子でいくと思っていましたが、全然そんなことはなかったですね（笑い）。毎回、いけるな、と思ったら、いけねーな、となる繰り返しでしたね」

精神面の一進一退は続いたが、腐りはしなかった。

「仕事柄、常に不安かもと思っていますが、結局やるのみです。結果を出すしかない。無理だし、できないと思っていても、努力すればできるようになる」

転機は「舞台」という。悔しい思いを重ね、試行錯誤の日々が続いた。

「コメディーの芝居で他の人たちがバンバン受けて僕だけ1人スベる。それが10公演ほど続きました。先輩に『違うよ、バカ』と教えられるうちに、ちょっとずつウケてくるんです。けちょんけちょんにされたので、とりあえず面白くなってやろう、というのはありました。『劇団☆新感線』の舞台も大きかった。人前でお芝居してリアクションをもらう。お客さんとの真剣勝負の感覚を味わえたのはすごく大きかったかな」

二枚目で、人気女優の血筋を引いても、簡単にブレークできる世界ではない。そう知った上で努力を重ねたから、今がある。最近思うことがある。

「そろそろ引っ張っていく立場を経験したい」

昨年夏、小栗旬（35）が主演したミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」への出演がきっかけで、そんな思いが芽生えた。

「旬君は、やっぱり真ん中の人だったんですよ。こういうのがスターだと。（今まで共演してきた）竹野内豊さん、堤真一さんもですが、先輩たちを見て、なるほど、と思うんです。役者をやっていて、主役をやりたくないなんて人は、いないので」

主演ドラマ「今日から俺は！！」にかける思いが伝わってきた。【取材・近藤由美子】

◆賀来賢人（かく・けんと）1989年（平元）7月3日、東京都生まれ。178センチ、血液型O。