女優宮原華音（27）が、21日に東京・後楽園ホールで開催される立ち技打撃格闘技興行「RISE167」でプロデビューを果たす。14日公開の「妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク」（坂本浩一監督）にも女忍者役として出演。後編は映画出演への意気込みを語った。
◇ ◇
持ち味全開の演技を披露した。宮原は主演の平野宏周（24）演じる小太郎を足止めする女忍者の百園菊魔を熱演。170センチの長身から繰り出す豪快な蹴りと華麗な刀さばきを見せた。183センチの平野と互角に渡り合った。
「私は身長が高いので、平野さんの体格に負けないような、派手なアクションができているかなと。男性が手加減していないように見えるアクションは、私の強みかなと思っています。やっぱり男性の方が大きいと手を抜いているように見られちゃうじゃないですか。全力でぶつかり合った結果を見てほしいですね」
足場の悪い砂場でも、持ち味の迫力ある回し蹴りを見せた。小2から空手を始め、黒帯を取得。小学生の頃に全国大会3連覇した実力は伊達じゃなかった。
「自分めっちゃ動けてるじゃんって思いました。もちろん坂本監督に100％信頼を置いているので、監督がOKを出したシーンはOKなんだっていうのもあるんですけど。でも自分の中ではここ大丈夫だったかなとか、今のOKでいいのかなとか思っちゃったりする時もあるんですけど、見たらかっこいいじゃんと思って」
今作は国産のサメ映画として注目を集めている。宮原自身もサメとの“共演”を楽しみにしていた。
「坂本監督と日常会話で『泳げる？』って聞かれたので。台本を読む前は、女性忍者役なので、シャークともっと絡むとは思ってましたね。海の中でのアクションもあるのかなってちょっと期待はしていたんですけど…あまりシャークと関係なかったです（笑い）」
CGとはいえ、サメとの“共演”は実現しなかった。
「せっかくサメ映画に出られるんだったら、サメともうちょっと絡みたかったですね。国産のサメ映画だって話題になっているじゃないですか。サメ映画って、海外のイメージが私も強くて。やっと出られたのにまさかのノータッチ（笑い）」
劇中で菊魔は主人公の小太郎に思いを寄せるあまり、行く手を阻んでしまう。
「私、個人としては菊魔という役がちょっとチャレンジで、好きをこじらせているというか。愛情が憎悪に変わるというのは初めてだったので、女性らしさというか女性ならではの気持ちというか、好きすぎて殺したくなるというか。その辺をただ憎いんじゃなくて、好きすぎるんだぞっていうのを感じ取ってもらえたらうれしいなと思います」
初の役柄だったため、勉強を重ねた。
「久しぶりに青春恋愛映画みたいなのを見漁りました。女子高生とかが好きそうな、かっこいいかわいい俳優さんが出てきて、好きで好きでたまらないみたいなの。好きってこういう感情かと思いながら、好きっていう感情だけをいろいろ欲しくて映画を見あさりました」
21日は「RISE167」でプロデビューを果たすが、あくまで本職は女優。自慢のアクションも、宮原の魅力の1つに過ぎない。
「もちろんアクションは大好きですけど、いろんな役にチャレンジしたいっていうのはもちろんあります。アクション女優って言い切りたくはないです。もっといろんな役にもチャレンジしたいですね」
◆宮原華音（みやはら・かのん）1996年（平8）4月8日、秋田・湯沢市生まれ、東京育ち。小2で両親の勧めで空手を始める。流派は国際松濤館。小4から国際松濤館の全国大会3連覇。小5では全日本少年少女空手道選手権大会（女子・組手部門、全空連主催）で優勝。中学でも空手は継続し、陸上部にも所属。12年度「三愛水着イメージガール」に最年少で就任。14年に「ハイキック・エンジェルス」で映画初主演。19年に日体大卒業。22年5月から立ち技打撃格闘技興行「RISE」のラウンドガール「R－1SE Force」としても活動中。現在の所属事務所は「FIRSTORDER AGENT」。170センチ。
◆妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク 舞台は江戸時代。人里離れた沖津村の浜に村人の惨殺された死体が上がる。邪教集団・紅魔衆の首領・〓（虫ヘンに離のフルトリを取る）鮫士郎（中村優一）は不老不死の力を得るために呪術を使い、サメを操ることによって、村で採れる真珠を強制的に村人から巻き上げていた。この状況に業を煮やした村長は、助太刀を頼むべく村外れの寺にいる用心棒の潮崎小太郎（平野宏周）に会いに行く。報酬とともにその仕事をいったん引き受ける小太郎だが、その行く手を菊魔（宮原華音）と名乗る女忍者が遮ってきた。村人の沙代（長野じゅりあ）をいけにえとして鮫士郎にささげようとする村長に反発する信助（西銘駿）とともに、鮫士郎に戦いを挑む小太郎だが、その前に現れたのは、この世の物とは思えない巨大なサメ。究極の忍者対サメのバトルが始まる。
