生成AIで自身の声を無断で模倣された動画が公開されたとして、人気声優の津田健次郎さんが、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の運営会社に動画の削除を求めた訴訟で、東京地裁が「声の権利」を認める判断を下した判決を受け、声優たちから津田のアクションへの敬意の表明が相次いでいる。
東京地裁は9月30日の判決で、「人の声は肖像と同様に個人の人格の象徴だ」と、肖像権と同様に声にも権利があるとの、初の司法判断を下した。津田が求めた削除請求については東京地裁は訴えは「棄却」。形式上、訴えは通らなかったが、提訴後の26年5月に投稿者側がアカウントを削除して問題の動画も消えていたため、判決は削除済みと認定されたことで請求が棄却されたものだった。
裁判では、訴え自体をめぐる勝訴、敗訴も重要だが、その裁判の中で、どんな事実が裁判所から「認定」されるかが、今後のさまざまな紛争に対する司法の判断の「前例」となるため、非常に大きな意味を持つ。
芸能人や著名人の声をAIを使って「生成」することが簡単になる中、これまで司法の場では判断されてこなかった「声の権利」が裁判で認定されたことは、今後の「声」の権利保護に大きな追い風になる。
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジ役などで知られる声優の緒方恵美(61)は9月30日午後2時23分、Xで、声の権利認定の報道を引用した上で「…削除請求は棄却されましたがこれは既に動画は削除されていたので仕方ない。でもこの文言を頂けたのは、みんなにとって大きな大きな光。
ありがとう。ツダケン。
#NOMORE無断生成AI」と津田に感謝。
レオナルド・ディカプリオやマット・デイモンの吹き替えで知られる内田夕夜は9月30日午後4時32分、「『人の声は、人の肖像と同様に個人の人格の象徴であるということができる』
『パブリシティ権の侵害に当たる』
津田健君、ありがとう!」とつづった。
「進撃の巨人」エレン・イェーガー役や「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役などで知られる声優の梶裕貴は9月30日午後5時48分。「まず、今回の判決においては請求棄却という形になりましたが、当初の『対象の投稿の削除』という目的は達成に至っている、という点が大切と考えます」と、請求は棄却されたものの、きちんと提訴することで、問題の動画が削除できたことを評価。「その上で、津田さんのアクションに心からの敬意を。
人それぞれ形は違えど、無断生成撲滅への想いは同じはずです。本質を見据えた議論の道に辿り着けるよう、これからも声優業界一丸となって問題解決に取り組んでいければと思っております。私も私なりの向き合い方で、真摯に臨んで参ります」と記している。。
さらに、
ONE PIECEのセンゴク役などで知られる大川透も10月1日午後4時6分、「津田君の活動に敬意を表します」とつづっている。



