7日に肺炎のため死去した俳優二谷英明(にたに・ひであき)さん(享年81)の葬儀・告別式が11日、東京・芝公園の増上寺光摂殿でしめやかに営まれた。

 故人と家族ぐるみの親交があった音楽家長渕剛(55)が別れの言葉を献げた。「お父さん」と呼びかけ、二谷さんと出会った20数年前の思い出を語った。「懸命に、そのままやったら大丈夫だよ」と声を掛けてもらって以来、「東京にお父さんとお母さんができた」と慕い、食事もごちそうになっていたという。その上で「(二谷さんの)死の力が僕の心に宿り、共に生きることができる」と故人の遺志を継ぐ決意も明かした。そして、自身で作った楽曲「12色のクレパス」をギターで弾き語った。。

 これまで報道陣の前に顔を出さなかった喪主の妻白川由美(しらかわ・ゆみ、本名二谷安基子=にたに・あきこ)さん(75)も位牌(いはい)を持ってファンの前に立った。「昨夜、(夢を見ました。(二谷が)『みんな来てくれたんだ』と懐かしかったみたいでした」と涙で言葉を詰まらせながらあいさつ。

 ファン約300人を含む約1000人の参列者に見送られ、午後1時過ぎに出棺。桐ケ谷斎場で荼毘(だび)に付された。