歌手堀内孝雄(61)と滝ともはる(56)のデュオで、1980年(昭55)に大ヒットした「南回帰線」が、29日放送のNHKBSプレミアム「J-POP青春の’80」(木曜午後8時)最終回で30年ぶりに復活する。堀内と、ライブハウス経営など独自の道を歩んでいた滝がNHKからオファーを受け、再び声を合わせた。
壇上に並び立った堀内と滝は、お互いの顔を見て相好を崩した。
堀内
あんまり変わらないね。ヒゲが増えて、ちょっと白いものにね。
滝
最近、老け顔になったと言われます。ベーヤン(堀内)を追い越すんじゃないですかと…。
滝が歌い始めると、応えるように堀内が「ヘイ!」と声を掛けた。向き合ってギターをかき鳴らし、イタズラっぽく笑った。
80年、堀内が事務所の後輩の滝を全国ソロツアーに帯同し、デュオを結成した。同年4月25日には「南回帰線」発売。オリコンランク最高4位でサントリービールCMソングにもなった。ただ、滝が独立して音楽普及活動を始め、堀内の所属するアリスが活動を休止した81年を境に2人は音信不通となった。
それから22年の時を経た03年、滝は芸能生活25周年記念CDを制作するにあたり、「南回帰線」を収録したいと思い、堀内のもとを訪ねた。しかし、堀内は「いまさら何しに来た」と激怒。一方で「1つ条件がある。デュエットだ」と滝に伝えた。
自分が何も言わず姿を消したことが堀内に深い悲しみを与えた。そのことに気付かされ、滝は涙しながらすぐに堀内とレコーディングをした。制作したCD3000枚は完売。8月中旬にNHKから打診を受けて出演を決めるまで、2人が30年間で会ったのはその1回だけという。
2分54秒のステージを終えた堀内は「うれしい。僕らの青春の1ページだから。この歌はすごく焼き付いている」とかみしめるように語り、滝も「ベーヤンに距離感を感じてたけど、一瞬であの時代に戻った」と目頭を熱くしていた。【村上幸将】




