劇団四季創立メンバーのベテラン俳優日下武史(81)が同じ劇団四季の女優木村不時子(73)と結婚していたことが17日、分かった。日刊スポーツの取材に応じた劇団四季関係者によると、婚姻届を提出したのは2010年(平22)末で、ともに70歳を過ぎてからの「老々婚」。昨今、男性芸能人と女性芸能人や一般女性との「年の差婚」が多くみられるが、高齢芸能人同士の結婚は極めて異例だ。

 日下は長年病床にあった前妻の介護をしながら舞台を務めてきたが、09年に先立たれた。木村は前妻も公認していた日下の友人で、「赤毛のアン」の兄妹役など数多くの舞台で共演したほか、前妻の代わりに日下の日々の世話もしていたという。前妻の死から1年すぎたころのゴールインだったが、結婚は劇団内でもごく一部の人にしか知らされていなかったという。

 日下は53年に演出家浅利慶太氏らとともに劇団四季を創立。テレビ草創期の61年に米ドラマ「アンタッチャブル」のネス隊長の声で知られ、その後もNHK連続テレビ小説「すずらん」や大河ドラマ「新・平家物語」などに出演。舞台も51歳で「ハムレット」に主演したほか、「ベニスの商人」「スルース」などに主演した演劇界の重鎮でもある。木村は青年座在籍中に合同公演に参加し、67年に劇団四季に移籍。演技派の女優として活躍している。

 ◆日下武史(くさか・たけし)1931年(昭6)2月24日、東京生まれ。慶大中退後の53年、浅利慶太氏らと劇団四季を創立。54年「アルデール又は聖女」で初舞台を踏む。代表作は「エクウス」「ひかりごけ」「鹿鳴館」など。紫綬褒章、勲4等旭日小綬章などを受章している。

 ◆木村不時子(きむら・ふじこ)1938年(昭13)7月5日、東京生まれ。高校卒業後、青年座を経て、67年に劇団四季に入団。演技力に定評があり、「この生命は誰のもの?」「ミュージカル異国の丘」などの舞台に出演している。