<フィッシング・ルポ>

 南房・太海(千葉)の沖磯が絶好調!

 1月からコマセ釣りが解禁し、<冬磯>の人気ターゲット・メジナが連発中だ。数ではトップが2ケタ台をマーク、40センチ超の大型もヒットしている。同地区のコマセ釣りは3月いっぱいまでの期間限定だが、今後の期待は大!

 日刊釣りペン・クラブの磯釣りマン、鵜沢政則さん(63)が攻略法も含め釣況をチェックした。

 ここ数年、海の潮温が高めで推移しているが、太海も現在、16度台以上あり、この時期としては1度ほど高い。そんな中、アタックした日は快晴下<出しの風(沖に向かって吹く風)>で、ほぼナギ。渡船宿「新海荘」の林新治船長(68)に渡してもらった釣り場は毎年、初期にチェックする「ヨシガ島」だ。

 太海の磯は比較的水深がある方で、通常は沖の潮流れの中を攻めるが、ここは浅いのに加え、この日は潮流れが鈍いことから、定石の渡船場所狙いを外し、サラシ(白泡)にポイントを絞った。

 水深は6~7メートルで、ウキ下は2ヒロ(約3メートル)。最初はフグのエサ取りがあったが、しばらくしてエサが残るようになり次の瞬間、ウキがゆっくり沈んだ。鋭く合わせると、いきなり底へ突っ込むメジナ特有の引きに変わり、サオがギュンギュンッ!

 深さがないので、ここでラインを出すと大抵が海藻に絡むか根に入られてしまう。強引に止めて対応するうち、浮いてきたのは30センチ余りのメジナだ。

 ヒットが続く中、再びフグが回ってきてエサが取られる。それでも、午前10時すぎだ。潮が下げから上げに変わると、メジナが活気づき、40センチ弱の良型も掛かった。

 途中、東風が強く吹きだし、風陰の「ポックリ」に移って沖の深みを狙う。ハリスは1・7号に落とし、仕掛けを2段ウキにチェンジ。コマセを遠投、それに合わせて仕掛けを投入して<沈め探り>で攻めると、キャストする度にラインを引っ張る<糸引き>のアタリでメジナが連発!

 このあたりから潮が満ちてきて、足元を洗い始めたので撤収したが、数で2ケタ台を収め、まずは上々-。

 潮温がまだ高めのため、メジナはレギュラーの30センチ前後が主力だが、今後は潮温が下がるにつれ、サイズアップが狙える。ちなみに「新海荘」では、4日は47センチの超ド級を含め40センチ超が7匹に52センチと50センチのクロダイ2匹が出た。大物が釣れた場所もひと潮(14日)後に大型が着くことが多く、小ぶりながらシマアジやサヨリの群れも回っている。太海の沖磯はこれからがアツい!<鵜沢さんのアドバイス>

 ◆サラシの中の攻め方

 軽い仕掛けは付けエサ(オキアミ)が入りにくい。ハリスに重めのオモリをセットして、サラしている泡周辺の深みに、サラシが落ち着くのを見計らって仕掛けを投入する。ポイントから外れたら引き戻し、無理やりでも潮の落ち着く場所に入れ、これを繰り返すが、サラシの中を攻めることは浅いポイントでのメジナ攻略に欠かせない。波がきてサラシができ、徐々に泡が消え、次の波がくる…この合間にコマセを投入、できるだけ底にコマセが入るようにする。サラシが目隠しになって魚は警戒心もなく食い上がってくるので、やや浅く釣る方が根掛かりも少なくベターだ。

 ▼渡船

 日刊スポーツ新聞社指定「新海荘」【電話】04・7092・1535。渡船は午前6時30分目安、料金は4000円。メジナのほかにクロダイやサヨリ、シマアジなども狙える。第3土曜日定休。HP<http://www.bizmac.co.jp/sinkai1.htm>

 ▼交通

 電車はJR外房線・鴨川駅からタクシー利用か、同内房線・太海駅から徒歩。車利用の場合、館山自動車道・姉ケ崎袖ケ浦インターから鴨川有料道路を経由、国道128号を走り太海へ。詳細は要確認。