春告魚(はるつげうお)ゲットだぜ! 仙台湾・閖上(ゆりあげ)漁港(宮城・名取市)の「第一謙信丸」(12トン、定員15人)で釣況に応じた五目釣りが楽しめる。狙う対象魚によって釣り方を変える「メバル五目」と「カレイ五目」だ。低気圧通過の余波が残った3月中旬の「メバル五目」では荒れ模様にもかかわらず、春告魚と呼ばれるクロメバルを主役に、アイナメにドンコ(エゾイソアイナメ)、マアナゴと多彩な釣果をマークした。

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「ククッ、ククッ」と春の便りが竿先をたたく。追い食いを見計らって、左舷2番目の針生秀一さん(64=仙台市泉区)がヒットしたのは、この時期、関東以北の太平洋沿岸で「春告魚」と呼ばれるクロメバルのダブルゲットだ。

釣春到来、「春一番」を狙う「来るもの拒まず」の欲張り釣行は、閖上港から南東に航程1時間あまりの宮城・亘理町沖で行った。水深30~40メートルラインに点在する自然根と人工漁礁。謙信丸2代目の佐藤太船長(45)は「底から5メートル位までだんだんと高くなっていきます。根がかりに気を付けてください」と親切にアドバイスする。

謙信丸の五目釣りは、片テンビン仕掛けで狙う「カレイ五目」とサビキ(擬餌バリ)仕掛け併用で狙う「メバル五目」の2種類。それぞれ時間を区切って攻略するリレー釣りと異なり、佐藤船長は「乗船者が少ない時は(片テンビン仕掛けとサビキ仕掛けの)2本ザオでもいいですよ」とサービスする。

乗船8人の今回は強風とうねりが残る底荒れ気味の食い渋りで、カレイやアイナメの底物狙いは大苦戦。胴突き6本サビキによるクロメバル狙いも1、2匹の拾い釣りの状況だったが、右舷船首の関康郎さん(65=仙台市青葉区)も30センチ級のダブルヒットをマークするなど、船中トップは計20匹超をマーク。佐藤船長は「日によってはソイも釣れます。カレイ中心かメバル中心かは状況しだいですね」と今後の展開に期待を込めた。  【佐々木雄高】

 

◆謙信丸 五目釣り乗合船は午前5時出船。乗船場所は閖上漁港・広浦橋を渡った魚市場対岸。底物狙いの片テンビン2、3本仕掛けはオモリ40号、メバル狙いの胴突き5、6本サビキは同50号統一。料金は1人9000円(餌のアオイソメ1パック付き)。乗合船は最少5人以上で出船。仕立て(借り切り)は12人まで9万円(餌別)。予約は前日午後7時まで。問い合わせは「謙信丸」電話022・398・4718(佐藤太船長)http://kensinmaru.life.coocan.jp/