★9月1日は1923年に発生し、死者・行方不明者10万5千余人の大惨事となった関東大震災を教訓として政府は防災の日とした。しかしこの30年を振り返っても2004年10月の震度7を観測した新潟県中越地震。11年3月の東日本大震災。津波も発生してマグニチュード9・0という未曽有の惨事に。16年4月、震度7を観測した熊本地震、18年9月の北海道胆振東部地震では大規模な土砂崩れが発生し、北海道全域で日本初となるブラックアウト(大規模全域停電)が発生した。24年1月の能登半島地震は記憶に新しく、復興は道半ばと言える。

★温暖化の影響で台風や局地豪雨も後を絶たない。14年8月の広島土砂災害は豪雨から土砂崩れ・土石流が発生し、多数の犠牲者が出た。18年7月の西日本豪雨は河川氾濫(はんらん)や土砂災害と広範囲の災害となり激甚災害指定となった。19年9月、10月には台風15号、19号が猛威を振るい、15号は千葉県を中心に大規模な長期停電を、19号は東日本の70以上の河川で堤防が決壊し、広範囲で浸水被害が発生した。今年に入り6月25日の震度6強の岩手県沖地震。同月26日、震度6弱を観測した山梨県東部・富士五湖地震。7月28日の熊本地方地震は震度7で住宅倒壊やインフラ被害などの甚大な損害が発生。8月13日の千葉豪雨も激しかった。線状降水帯が相次ぎ発生し、冠水被害の過半数がハザードマップなどの「浸水想定区域外」で発生し、都市型水害が深刻化した。同月27日の北陸地方(富山・石川・福井)の大雨で土砂災害や河川浸水が発生。北陸3県の14市町以上に災害救助法が適用された。

★またヒマラヤの山岳地帯で発生した大規模な土石流災害も無視できまい。高齢者が増え、巨大災害に対応する住民の力が落ちている今、我が国最大の脅威は自然災害だ。老朽化したインフラは断水や停電などが長期化し、避難所の環境整備を遅らせる。既に自然災害は“たまに起きる”ものではなく、毎回甚大化している。概算要求のこの時期、防災最優先国家の位置づけが必要だ。自民党が予算だけはふんだんに付けた防災・減災、国土強靱(きょうじん)化計画は役に立ったのか。(K)※敬称略