自民党の麻生太郎副総裁は23日午後(日本時間24日午前)、ニューヨークのトランプタワーで、トランプ前米大統領と会談した。米国第一主義のトランプ氏が11月の大統領選で返り咲いた場合に備え、良好な関係の構築を図った。再選を目指すバイデン大統領の支持率が伸び悩む中、各国要人の「トランプ氏詣で」が目立っている。

トランプ氏は麻生氏を自らトランプタワーの玄関口で出迎える厚遇を見せた。ロビーで「日米関係や他の多くのことを話し合う。麻生氏の訪問を受けるのはとても名誉なことだ」と語った。会談は約1時間にわたって行われた。

トランプ氏側の発表によると、2人は中国と北朝鮮への対応や日米同盟の安全保障上の重要性を協議した。トランプ氏は日本の防衛費増額を称賛したという。

故安倍晋三元首相はトランプ氏が2016年11月の大統領選に勝利した直後、就任を待たずにトランプタワーで会談し、その後も蜜月関係を築いた。トランプ氏が再び大統領になった場合の「もしトラ」への対応が日本政府の課題となっており、安倍政権の成功体験を再現したい考えだ。

トランプ氏は今月だけでも英国のキャメロン外相やポーランドのドゥダ大統領と面会している。

AP通信によると、トランプ氏の広報担当者は麻生氏との会談前に声明で「世界の指導者たちはトランプ氏の在任時のほうが安全で平和だったと分かっている」と述べた。

各国要人との交流は、トランプ氏にとっても選挙戦で有権者に外交力をアピールする格好の材料になっている。

バイデン氏には岸田文雄首相が今月にワシントンで会談した。(共同)