東京都品川区のアパート一室に放火したなどとして、非現住建造物等放火罪などに問われた不動産会社元社員内藤寛己被告(31)の初公判が2日、東京地裁で開かれた。検察側は、再開発地区の住民を立ち退かせるために家を燃やすよう指示されていたと主張。被告は、社長から「ガソリンをかけて燃やせ」などと具体的な指示を受けていたと明かした。
不動産会社は、事件後に被告を懲戒解雇。ホームページで「元従業員が個人的に起こしたもので、当社が関与した事実はない」と説明している。
起訴状によると、被告は昨年10月31日、品川区の住宅の外壁に火を付けて郵便受けを損壊。同11月18日には実行役の知人と共謀して、隣接する無人のアパートの一室に放火したなどとされる。
被告は起訴内容を認めた。冒頭陳述で検察側は、不動産会社「D・R・M」(東京都港区)の社員だった被告が、東急目黒線武蔵小山駅近くの再開発の立ち退きに応じない住民の家を燃やすよう指示されたと指摘した。
被告人質問では、断れば家族に危害を加えると社長に示唆され、やむを得なかったと主張。「巻き込みたくない思いが強かった。被害者には大変申し訳ない」と謝罪した。検察側は拘禁刑5年6月を求刑。弁護側は、社長の指示によるものと強調し、執行猶予付き判決を求めた。判決は29日。(共同)

