売春させると知りながら所属するAV女優を吉原のソープランドに派遣したとして、警視庁保安課や原宿署、浅草署などの共同捜査本部は24日までに、職業安定法違反(有害業務紹介)の疑いで、芸能プロダクション3社の社長3人を逮捕した。容疑を認めているという。捜査本部はこのソープの実質的経営者で、売春防止法違反(場所提供)で先月逮捕された男(57=同法違反罪で起訴、保釈)らについて、犯罪収益を隠したとして組織犯罪処罰法違反の疑いで書類送検した。

 逮捕されたのは、芸能プロダクション「スタイルワン」社長榎本昌央容疑者(39=足立区)、「SSL」社長木ノ本直記容疑者(42=渋谷区)、「BELLTECH」社長前田正太郎容疑者(38=目黒区)の3人。捜査関係者によると、いずれも「紹介した」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は12年9月1日~今年5月25日、客と売春させる業務を知りながら、20代のAV女優3人を、東京・吉原のソープ「ラテンクォーター」「オートクチュール」に紹介した疑い。派遣したAV女優が客を取ると、ソープランドが派遣元の芸能プロダクションに客1人につき5000円を支払っていた。

 書類送検されたのはソープ2店の実質的経営者の男ら2人。書類送検容疑は今年7~8月、ソープでAV女優が売り上げた収益の一部を経営する会社名義の銀行に振り込み、犯罪収益を隠匿した疑い。

 保安課によると、両店はAV女優在籍を売りにした人気店だった。通常の料金は120分で6万5000円。しかし、人気女優の場合、「プレミアム」と称して料金はプラス1万5000円の8万円。ソープ側の取り分が1万5000円で、6万5000円を女優が受け取っていた。芸能プロダクション3社には40~120人のAV女優が所属し、希望者が両店で働いていたという。

 AV女優によるサービスを売りにする風俗店は多く、AV女優に会える店を紹介するウェブサイトも存在している。摘発された「ラテンクォーター」「オートクチュール」の系列店などのホームページには2店で働いていたAV女優や、別のAV女優が「在籍モデル」として紹介されており、警視庁は今後、関連を調べる。