日本将棋連盟の臨時総会、理事会が6日に行われ、佐藤康光9段(47)と井上慶太9段(53)が新理事に選任された。その後行われた理事会で、互選により佐藤9段が新会長に選出された。

 昨年10月から将棋界を揺るがせた、三浦弘行9段(43)の将棋ソフト不正使用疑惑は、昨年末に第三者調査委員会により、ソフト使用の事実がなかったと発表された。

 この日の臨時総会で、谷川浩司会長(54)、島朗常務理事(53)が、騒動の責任を取り辞任。後任として2人の新理事が選出された。

 新体制でも目下の課題は三浦9段の名誉回復と、将棋界全体の信頼回復になる。

 会見に臨んだ佐藤新会長は冒頭に「一連の問題では将棋ファンの皆様、主催社および関係各位、そして何より三浦弘行9段とそのご家族に大変ご迷惑、ご心配をお掛けした」と謝罪。

 1月末まで、棋士会の会長を務めていたことにも触れ「何ひとつお役に立てなかった」と続けた。騒動後、食事休憩の時間や電子機器の取り扱いなど、対局規定にも手が入った。

 「三浦さんご自身に、今こうなっていると説明して、彼が一番対局に集中できるように」と、正式には行われていない連盟から本人への謝罪も含め、対応を進める予定だ。

 この日の臨時総会前には、棋士28人から別の臨時総会の開催要求が提出された。内容は辞任した谷川氏、島氏を除く5人の理事解任を決めるもので、27日に再び開催されることが発表された。

 解任を求められた1人、青野照市専務理事(64)は「6月まで任期があるので、現在の業務を続けるのが義務だと思っている」と話した。