安倍政権を揺るがす「もり・かけ」問題のキーマンが10日、証言に立った。森友学園の籠池泰典前理事長は、大阪府議会で参考人質疑に出席した。

 大阪府議会で実施された参考人質疑。籠池氏が国会の証人喚問などでは語らなかった詳細について、次々に「暴露」した。15年9月に安倍昭恵氏から100万円の寄付を受け取った後、「午前の講演が終わり、すぐ近くにありますレストラン『シャドー』に行きました。ビーフステーキを一緒にいただきました。昭恵夫人も食された」。昭恵夫人はフェイスブックで100万円の寄付を否定しているが、籠池氏は当日、昭恵氏に開校を目指す小学校の名誉校長就任を要請すると「1秒おいて、快諾された」と明かした。

 籠池氏は転機も語った。第1次安倍政権の06年12月、改正教育基本法が成立。「改正後、愛国心などが教育現場に持ち込まれるようになった。愛国教育の先駆けになろうと改正後の内容を忖度(そんたく)し、改めて愛国教育の充実に努めました」と振り返った。

 評価額から8億円余りを差し引いて国有地の払い下げを受け、小学校開設を目指した過程に「(府の)認可適当があったので全てが動きだした」と説明。「私だけがトカゲのしっぽ切りのように罪をかぶせられるのではなく、真相究明をしてもらいたい」と訴えた。「籠池劇場」に傍聴席が沸いた。【松浦隆司】