民進党から希望の党と合流せず、枝野幸男代表(53)の新党「立憲民主党」から都内の小選挙区に出馬する長妻昭代表代行(57)らが4日、国会内で記者会見し、東京の小選挙区に16人を擁立すると発表した。全員が元民進党候補予定者。菅直人氏(70)をのぞく15人が会見に参加し「希望の党は第2安倍政権。第1、第2安倍政権と対決できるのは立憲民主党だけ」と訴えた。16人を含め、全国で50人以上の擁立を目指す。 長妻氏は、立憲民主党の立ち位置として「内心の自由に踏み込まない。多様な生き方を認める。徹底した情報公開。行政の私物化と戦う。国家権力は暴走してはならない。それができるのは立憲民主党しかない」と説明。憲法改正については「憲法改正の議論はする。首相の解散権の制約は改正が必要」。安全保障については「専守防衛の考えで外交力、国の守りは強化する」とした。その上で「安倍内閣を終わらせる選択肢を示す」と話した。

 立憲民主党から東京の小選挙区に出馬する16人中、15人の選挙区には、希望の党が1次公認で対抗馬を擁立。今後、全員に対抗馬が立てられる見通しだ。

 希望の党の対抗馬が決まっていない東京13区の北條智彦氏(34)は「足立区議5人中、4人は応援してくれるが、1人が希望から出馬するかもしれない」と複雑な表情。それでも、「掲げた大義は一番でかい。ど真ん中に道を作っていく」と意気込んだ。

 小池氏の衆院時代の地盤で、希望の党の若狭勝氏(60)が出馬する東京10区で立候補する鈴木庸介氏(41)は「まさに本丸。排除と選別ではなく、誰も置いていかない、誰にも居場所のある社会を作る」と一歩も引かない構えだ。

 東京24区の高橋斉久氏(44)は、希望の党が公認にあたり資金提供を求めたことをめぐり「(小池氏との写真撮影に)3万円求められる。政党のやることじゃない」と批判。「希望の党は第2安倍政権だ。安倍政権と希望の党に対決できるのは我々だけ」と訴えた。

 長妻氏は会見後、枝野氏と中野駅前で街頭演説。「今立たなければ、後生の歴史家にあの時なぜ選択肢を示さなかったのかと糾弾される戦いだ」と強調。「数が足りなくても、強い理念信念こそが世の中を変えるんじゃないでしょうか」と訴えた。枝野氏は「これは『上から』の政治か、『下から』の政治かの戦いだ。立憲民主党は生まれたばかりの政党だ。みなさんと共に歩かなければ前に進めない。一緒に作ってほしい」と呼びかけた。