第3回新春短歌会「静岡を詠む」が9日、静岡県立大学の草薙キャンパスで開催された。講師は3年連続で歌人の染野太朗氏(41)が務め、学生や外部聴講者ら約20人が参加した。

今年の兼題(歌会のテーマ)は「私の静岡」で、参加者は事前に自作の短歌を投稿。無記名で発表され、互いに感想や意見を交換した。染野氏は、2015年(平27)に「NHK短歌」の選者を担当。「静岡の魅力を再発見する場になりました。短歌は省略の芸術。詠み合うことで、言葉を大事にすることができると思います」と話した。

短歌6首は以下の通り。

降らないし、見たことないでしょ君は言う見たことあるよ、富士の高嶺に

駿河湾奥底に舞う桜えび咲くこと知らずその身を散らす

一歩ずつ吸って吐いてを繰り返す静岡の蛙快速を知らず

考えのがたんごとんが止まらない音が紛らす気づけば浜松

日だまりにお茶の香りの少しして子猫寝ころぶ静岡の朝

カメラ借り旅人気取りチャリに乗る薩■(さった)峠に春が来るから

※■は土ヘンに垂