将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が5日、関西将棋会館で行われた第77期順位戦C級1組の最終局で都成竜馬五段(29)に勝ったが、昇級の他力条件「勝ち星で並ぶライバル3人のうち2人が敗戦」をクリアできず、2期連続昇級を逃した。

同組の最終局を迎える前は藤井、師匠の杉本昌隆八段(50)、近藤誠也五段(22)、船江恒平六段(31)の4人が8勝1敗で並ぶ大混戦。B級2組への昇級枠は2人だけ。上位が同じ戦績で並んだ場合、昇級は「順位」が優先され、プロ2期目の藤井の順位は31番。他の3人はいずれも藤井より上位(近藤6番、杉本7番、船江14番)のため、昇級には白星が最低条件となり、なおかつ「ライバル3人のうち2人が敗戦」という厳しい条件だった。

午後10時25分、杉本が千葉幸生七段を下し、B級2組の昇級を決めた。午後10時35分、船江が金井恒太六段を破った。この時点で、藤井の2期連続昇級はなくなった。

藤井は「ライバル」の結果を知ることなく、対局に集中した。都成から白星を挙げたが、昇級はならず、32年ぶりとなる師弟同時昇級はかなわなかった。師匠と明暗を分けた。

藤井は昨期の順位戦C級2組では10戦全勝で1期抜けし、C級1組に上がった。今期も白星を重ねたが、先月の近藤戦に敗れ、順位戦で初黒星を喫し、前期からの連勝は18で止まった。自力昇級の可能性が消滅していた。