台風15号による千葉県の大規模停電について、東京電力パワーグリッド(PG)は13日夜の会見で、停電からの全面復旧に要する期間について、一部で2週間以上かかる可能性に言及、県民生活への影響がさらに広がる恐れが出てきた。

復旧計画は、停電が続く地域を被害状況に応じて3段階に分けて行う。千葉市や市原市は3日以内を見込むが、被害が甚大な地域について、東電PGは「おおむね2週間」とした上で「2週間を超えるところもあるかもしれない」と述べた。「2週間以内」とされるのは、被害が特に甚大な県南部の鋸南町、鴨川市、南房総市、館山市の4市町で、約5万戸で停電が続く。

ここまでの遅れについて、東電PGは「過去の台風に比べ、相当規模の倒木がある。この伐採に時間がかかっている」と述べた。激しく損傷した配電盤もあるという。発表のたび、復旧時期の見通しが遅れているが「過去の台風の規模から想定して判断したが、今回の台風は規模が今まで以上に大きいことを考慮に入れず、かなり過小な想定をしてしまった」と、見通しの甘さを認めた。同社の金子禎則社長は「多くの方に不便と心配をおかけし、おわびする」と謝罪。東京電力は他の電力会社に追加の人員派遣を要請し、現在の1万1000人を1万6000人態勢にして対応する。

先進国の日本で、台風発生から約20日間、電気が通じない地域が出る可能性がある。東電PGは「送配電事業の責任者として大変申し訳ない。最大限、復旧を進める」としているが、倒壊した電柱の数もつかめておらず、全体の被害把握にも時間がかかっている。東電に加え、被害把握の対応が遅れた千葉県、大規模停電中の11日に内閣改造を行った安倍政権にも、野党から批判が出始めた。

千葉県では発生から5日目の13日午後10時半現在、約16万8000戸が停電。連休中は雨も予想され、警戒が呼びかけられている。