日本囲碁史上最年少の10歳0カ月30日でプロになった仲邑菫初段(10)が30日、都内の日本棋院東京本院で打たれた、第23期ドコモ杯女流棋聖戦本戦1回戦で万波奈穂四段(34)と対局し、227手までで中押し負けした。

仲邑初段は、初めて戦った本戦に敗れた後の感想戦の際、対局を終えての一言を求められたが、悔しさをかみ殺すように碁盤を見詰め、コメントしなかった。ただ、その後、日本棋院を通じて「悔しかったです。でも、タイトルを取った、強い先生と打てて、勉強になりました」とコメントした。

一方、先手だった万波四段は「(仲邑初段の)白にうまく打ち回されている部分があり、あまり良くないと思っていた。下辺に黒が入った時は、盛り返したかと思ったんですけど、全然難しくて…最後、私が変な手ばかり打って、あたふたした。難しい碁だった」と振り返った。ただ、18年7月に第3期扇興杯女流最強戦で優勝し、初タイトルを取った貫禄を見せた。

仲邑初段は、勝てば藤沢里菜女流4冠(女流本因坊・女流立葵杯・女流名人、扇興杯女流最強戦=20)が、13年4月4日の女流本因坊戦本戦1回戦で長島梢恵二段に中押し勝ちした際に記録した、現行の女流5棋戦の最年少勝利記録14歳6カ月を大幅に更新したが、お預けとなった。【村上幸将】