将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が23日、初めて監修したゲームソフトの記者会見を都内で行った。

来年3月5日に発売される、初心者向けの任天堂スイッチ用オリジナルゲーム「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」(日本将棋連盟公認、4500円、税別)だ。AIが搭載されており、基本ルールから定跡まで学べる。独自に考案した詰め将棋の問題も、5手詰めから11手詰めまで12問収録してある。

藤井は、「音声の収録などは初めての経験で、対局より緊張した」と笑った。デビュー1年目、29連勝の記録を達成するなどフィーバーを巻き起こし、将棋界のファン層拡大に貢献した。そんななかで、初心者にも楽しんでもらえるソフトの監修役に抜てきされた。「基礎から学んでステップアップできる内容ですので、幅広い(レベルの)方に遊んでいただける」とPRも忘れない。

過去には谷川浩司九段(57)や羽生善治九段(49)ら、タイトル獲得経験者が監修をしている。「先輩方に比べると、まだまだ実績を積む必要がある」と、語気を強めた。

今年11月には王将戦でタイトル初挑戦まであと1歩のところまで詰め寄った。「実力が上の人たちとの対局の中で、力の差を感じた。来年も棋力の向上に務めたい」と張り切る。27日には王位戦予選の斎藤慎太郎七段(26)が控えている。勝てば、王将戦に続く挑戦者決定リーグ入りを果たせる。「年内最後の大きな勝負。集中して臨みたい」。この時は勝負師の顔に変身していた。