安倍晋三首相は24日、全国的な新型コロナウイルス感染再拡大を受けて、報道陣にコメントした。「感染者数は増えていますから、高い緊張感を持って注視している」としたが、緊急事態宣言再発令は「専門家の皆さんがおっしゃるように、あの時とは状況が異なり、再び今、緊急事態宣言を出す状況にはないと考えています」と否定的だった。

首相は6月18日以来、1カ月以上も会見を行っていない。この日のコメントも一方的に話した後、受けた質問は1問だけ。約1分半で終了した。

西村康稔経済再生担当相は記者会見で、感染防止策を徹底していない接待を伴う飲食店などで感染者が発生した場合、感染症法に基づき、店舗名の公表に踏み切る方針を示した。

この日、国内では新たに768人の感染者が確認された。東京都は感染者が新たに260人報告されたと発表。感染経路不明は6割の156人という。過去最多となった23日の366人は下回ったが、7月の都内の感染者数はほぼ3桁で推移。200人台の日が目立つ。大阪府は新たに149人の感染を発表。22日の121人を超え、過去最多を更新した。100人超は3日連続。京大はこれまでに学生5人の新型コロナウイルス感染が判明したと発表した。

東京からはるか離れた南の島でも感染が広がっている。鹿児島県の与論町では23日までに22日に1人、23日に11人の感染が確認されていたが、この日も新たに11人が感染確認。この3日間で計23人に上った。与論町の山元宗町長は公式HPで来島及び島民の島外への移動自粛を呼び掛けた。

沖縄県は那覇市内の幼児ら計10人の感染が確認されたと発表した。在沖縄米海兵隊と米空軍第18航空団はフェイスブックで普天間飛行場(宜野湾市)で27人、ハンセンで14人、嘉手納基地(嘉手納町など)で1人の感染を確認したと公表。県が情報を確認している。