新潟県阿賀町と五泉市で21日、2人の男性が相次いでクマに襲われ、けがをした。いずれも意識はあり、命に別条はない。

阿賀町消防本部によると、午前6時ごろ、阿賀町小花地で、70代男性が自宅の玄関から出ようとしたところ、体長約50センチのクマに襲われた。頭部に長さ10センチの傷を負った。逃げ込んだ近所の親戚宅から、119番通報があった。その後クマは付近の山へ逃げていったという。

阿賀町役場は、猟友会を通して、クマ追い払い花火を使用し、安全パトロールを行った。

午前8時40分ごろには、五泉市小面谷の路上で70代男性が倒れている所を、通行人の男性が発見し、近くの住人が119番した。五泉署によると被害に遭った男性は「クマに襲われた」と話し、近くには男性の物とみられる自転車があった。五泉市消防本部によると、前頭部から後頭部にかけ長さ約20センチの傷を負った。爪で襲われたものとみられる。右目や唇付近も負傷し、ドクターヘリで新潟市内の病院へ運ばれた。

新潟県では本年度のツキノワグマの目撃・痕跡・人身被害の件数が21日までに1114件に上った。人身被害件数が10件で12名、内被害に遭った73歳女性が11日に死亡した。県は独自の「クマ出没特別警報」を発表し厳重警戒を呼び掛けている。【沢田直人】