将棋の藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が2年ぶり3回目の優勝を果たした。11日、東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で行われた「第14回朝日杯オープン戦」決勝で三浦弘行九段(46)を下した。準決勝では、渡辺明名人(棋王王将=36)を相手に絶体絶命のピンチから大逆転勝ち。運の良さと、9日に順位戦B級2組からB級1組への昇級を決めた勢いで、三たび頂点へと駆け上がった。

決勝を振り返った藤井は、「序盤、うまくまとめられず苦しいと思って指していました。こちらの玉も薄いので、判断が難しかった」と言う。終盤、負けにしている局面もあったが、「最後に先手2五玉と引いた局面で勝ちになっていると思った」という。

2年ぶり3回目の優勝については、「苦戦の将棋が多かった。内容を反省して次につなげられればと思います」と話していた。

◆藤井聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日、愛知県瀬戸市生まれ。八段。5歳で祖母から将棋を教わり、地元の教室に通う。杉本昌隆八段門下。16年10月、14歳2カ月の史上最年少でプロ(四段)に。史上5人目の中学生棋士。名古屋大学教育学部付属高3年。17年6月、デビューから負けなしの29連勝で、将棋界の連勝新記録を達成。18年2月、朝日杯で史上最年少の公式戦初制覇。翌年2月、朝日杯連覇。20年7月、17歳11カ月の史上最年少で初タイトルとなる棋聖を獲得。翌月王位も奪取し、現在2冠を保持する。

◆朝日杯オープン戦 朝日新聞社主催。2006年(平18)度で終了した朝日オープン選手権の後継棋戦として、07年(平19)に創設された。全棋士とアマチュア強豪、女流棋士が参加。1次、2次予選、16人による本戦とすべてトーナメントで行う。持ち時間は各40分。優勝賞金750万円。