将棋の藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)が名古屋大学教育学部付属高校(名古屋市)を今年1月末で自主退学したことが分かった。16日、日本将棋連盟が発表した。3月1日に卒業式を迎える予定だった。

藤井は同連盟を通じ、「タイトルを獲得できた事で将棋に専念したい気持ちが強くなりました。秋に意思を固め、数回学校と話し合いをした上、1月末日付で退学届けを提出いたしました。一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます」とコメントを発表した。

▼棋士と進学 将棋界ではかつて、「学歴など必要ない」との風潮があった。時代の移り変わりとともに、昭和の終わり頃からは「せめて高校だけは通うように」と、弟子に進学を勧める師匠も目立ち始めた。

実際、谷川浩司九段(58)、佐藤康光九段(51)、森内俊之九段(50)、渡辺明名人(棋王・王将=36)らトップ棋士は通学していた私立高の理解もあって無事、卒業している。丸山忠久九段(50)や中村太地七段(32)のように、早大へ進学した例もある。

一方、羽生善治九段(50)は都立高に通っていたが、対局が多くなったため出席日数が足りなくなり、通信制に変更、卒業した。