女子テニスの全豪オープンで、2年ぶり2度目の優勝を遂げた世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)ゆかりの地、大阪市西区のITC靱(うつぼ)テニスセンターでは21日、大坂の優勝パネルが設置され、祝福ムードに包まれた。

同施設は大坂が3歳で渡米するまで、父フランソワさんと訪れていた場所。大坂のテニス人生は、まさしくこの“大阪”からスタートした。

受付には「祝優勝 靱で育ったなおみ」のパネルや、優勝を報じる新聞の切り抜きが午前中から掲示された。

2年前からスクールに通う10歳女児は、19年に同施設で行われ、大坂が優勝した「東レ・パンパシフィックオープン」の際に、大坂からラケットカバーとテニスボールにサインをもらったという。「なおみちゃんが練習してて、出てくるときにサインをもらいました。しゃべれなかったけど、背が高くてびっくりしました」と振り返った。

今回、全豪オープンでの大坂の優勝に「圧倒的に強かった。そのままの位置でいてほしい」とメッセージを送った。

また、この日、施設内で、娘(7)のレッスンを見守っていた母は「娘が『大坂なおみとテニスしたい』と言っていた。夢は大きい方がいいかな」。大坂の活躍には「日本人として誇らしい。たまに帰ってきて、試合とか子どものレッスンとかしてほしい」との希望も口にした。

施設を管理するモリタスポーツ・サービス株式会社の森田常樹会長は「日本の大阪も、『大坂なおみ』のおかげで有名になってきているんじゃないか」。“おおさか”つながりの効果を実感する。施設内スクールのジュニア強化クラスには11人が在籍し、プロを目指す子どもも増えている。森田会長は「テニスと言えば靱になってきている」とも語った。

全豪オープンの優勝で、大坂は、4大大会で4勝目となった。森田会長は「精神的にも成長して、自信がついてきて4勝目。まだまだいくんじゃないかな」と言い、祝福とともに、今後にも期待を寄せた。

多田弘美支配人も「彼女が活躍することで、テニスをしようという子どもが出てくる。昨日のプレーはサーブがすごかった。絶対に拾えない」と称賛していた。【星名希実】