聖火リレーは島根県に入った。コロナ禍の現状を受け、一時は丸山達也知事(51)が「リレー中止」と発言していたが、参加者からの辞退が出なかったこともあって軌道修正。12日には「予定通りに行う。記憶に残る聖火リレーであってほしい。見る方々も半世紀に一度あるかないかですから、楽しんで」とコメントを出していた。

出発式は「道の駅津和野温泉なごみの里」からで、スターターは三輪茂之さん(61)。2016年リオパラリンピックの視覚障がいの女子柔道57キロ級で銅メダルを獲得し、東京パラでも代表となっている広瀬順子(30)の父親だ。和太鼓が打ち鳴らされる中、緊張した表情で右手に握ったトーチを頭上高く掲げて200メートルを走り切った。三輪さんは「重責を果たしました」と満足の表情。続けて「お父さんも頑張ったから、順子も頑張って」と娘にエールを送っていた。

◆15日の聖火リレー 古都津和野町からスタートして、益田市、浜田市を経由して邑南町(おおなんちょう)までの7市町村を巡った。16日は大田(おおだ)市から始まって松江市までの7市町で聖火が掲げられる。第2区の出雲市ではお笑い芸人ニッチェの江上敬子(36)、第4区の奥出雲町では同町出身者で04年アテネ五輪から3大会連続出場の女子ホッケーさくらジャパン山本由佳理さん(39)、最終区松江市ではNHKの五輪やサッカーW杯実況で知られる元アナウンサーの解説委員山本浩さん(68)がトーチを握る。