将棋の最年少2冠、藤井聡太王位・棋聖(18)が最上級のA級昇級を目指す第80期順位戦B級1組2回戦、稲葉陽八段(32)戦が3日午前10時、大阪市の関西将棋会館で始まった。

藤井はB級1組初戦で三浦弘行九段に勝利。歴代単独2位の順位戦22連勝を達成した。実力者が名を連ね、「鬼の住処(すみか)」の異名を持つB級1組で開幕連勝を狙う。

先後は事前に決まっており、先手の稲葉は2六歩と飛車先の歩を突いた。後手の藤井は、いつものようにお茶を一口飲み、心を落ち着かせてから、8四歩と飛車先を突き返した。戦型は角換わりにとなった。

両者の対戦成績は藤井の3勝1敗。稲葉は「関西若手四天王」と称され、16年度の第75期から5期連続で在籍。A級初参加だった第75期には名人挑戦者となった。前期A級から陥落してきた。

藤井は昨年度の前期B級2組を10連勝して昇級、前々期もC級1組で10連勝で昇級している。18年度の第77期のC級1組で近藤誠也七段(24)に敗れたのが唯一の黒星で、この期だけ昇級はならなかった。

B級1組は13人が所属。総当たりで戦い、上位2人がA級に昇級する。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井が谷川浩司九段(59)が持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今期のB級1組を1期で抜け、さらにA級1期目で挑戦権を獲得し、名人のタイトルを奪取する必要がある。

持ち時間は各6時間。3日夜には決着の見込み。