自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補を表明した岸田文雄前政調会長は2日、新型コロナウイルス対策を中心とした公約を発表した。「国民の協力を得る納得感のある説明、常に最悪の事態を想定して危機管理を行う」とし、「先手先手で徹底した対応を続けていく」と、後手後手と批判される菅義偉首相との違いを強調した。

コロナ感染者の病床を確保して「医療難民ゼロ」とするなどの「岸田4本柱」を掲げた。国・地方が人流抑制や医療資源確保により強い権限を持てるための法改正や、強い指揮権限を有する「健康危機管理庁(仮称)」の設置、国立国際医療研究センターと、国立感染症研究所に分散している機能を統合する「健康危機管理機構(仮称)」の創設も提唱した。

持続化給付金や家賃支援給付金を再支給するなど、数十兆円規模の経済対策を実施するとし、「細切れだったり、小出しであったり、中長期的な見通しが不十分」と、現政権の経済対策を批判した。

菅首相はこの日、自民党本部で二階俊博幹事長と会談し、総裁選出馬を正式に伝えた。石破茂元幹事長の出馬は依然として白紙で、高市早苗前総務相は立候補に必要な国会議員20人の推薦人確保に自信を示した。【大上悟】