岸田内閣発足から一夜明けた5日、新型コロナウイルス対策の要となる3大臣が就任会見を行った。

退任した河野太郎氏に代わり、ワクチン担当相に就任した堀内詔子氏(55)は河野氏からの引き継ぎはまだ受けておらず「お忙しいので、直接お目にかかってというより電話で引き継ぎが出来れば」。2回接種した人に対するブースト接種である3回目接種を、12月に開始する準備を各自治体に要望していると明かしたが、質問が詳細に及ぶと答えに窮する場面も。「まだ昨日、任命していただいたばかりですので」などと困惑するひと幕もあった。岸田首相が前日の会見で「喫緊かつ最優先」としたコロナ対策の一角を担う大臣としては、やや不安の残る船出となった。

堀内氏は五輪相も兼務するが、名古屋市の河村たかし市長が、東京五輪の金メダリストのメダルを無断でかじった件について問われ「う~ん」「あの~」とした上で「金メダルにお喜びで、あういう行動をなされたのでしょう」と、述べるにとどめた。

後藤茂之厚労相(65)は「総理から治療薬の確保、医療人材の確保、在宅療養者に対する対策の徹底や検査の拡充の指示をいただいております」。山際大志郎経済再生担当相(53)は「総理からは3人に対して『今までやってきたこと、これからやらなきゃいけないこと、全体像をしっかり整理して示せ』とご指示がございました」と明かした。「一寸の隙も作らないように継続することが大事」と、大臣交代による対コロナ政策の空白を作らない決意は示したが、新たな対策やアイデアなどを問われても、具体案は出てこなかった。【鎌田直秀】