衆院選(10月19日公示、同31日投開票)に向けて新党結成が取りざたされていた、前埼玉県知事で野党系無所属の上田清司参院議員(73)は13日までに、自身のホームページ(HP)で、新党の結成を断念したことを発表した。

新党結成の際に訴える予定だったとみられる思いをつづった文書を掲載した上で「今回は残念ながら新党立ち上げまで至りませんでしたが、いくつかの教訓を得ました」「何よりも多くの同志との出会いがありました。次期を目指して研鑽を積んでまいります」と記した。今後は、来年の参院選に合わせた新党結成を模索するとみられる。

「上田新党」をめぐっては、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が国政進出を目指して立ち上げた新党「ファーストの会」との接触が取りざたされ、荒木千陽代表と水面下で候補者調整をしているとの見方が出ていた。上田氏と小池氏は国会議員時代、ともに新進党に所属したことがあり、親交もある。そのため「上田新党」が、将来的な小池氏の国政進出に向けた「受け皿」になるのではないかとの臆測も出ている。

また今回の衆院選をめぐっては、上田氏サイドが、鳩山由紀夫元首相サイドにも出馬の働きかけをしていたことが分かっている。

HPで公開された文書では「健全な保守、中道を結集して国民の声が届く、公平な分配、あらゆる人にチャンスを拡大する現代版『自由民権運動』を展開します」と、つづっていた。