将棋の最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が2日、関西将棋会館で行われた第80期順位戦B級1組9回戦で、近藤誠也七段(25)を114手で下した。年内最後の公式戦を白星で締め、さらなる飛躍を目指す。

戦型は角換わり腰掛け銀。事前の研究をいかしやすい戦型で、両者とも研究手を繰り出した。中盤は持久戦模様の進行となった。夕食休憩後、本格的な戦いが始まり、一時、リードを奪われた藤井は持ち前の終盤力を発揮し、逆転勝ちした。

深夜まで及ぶ熱戦を制した藤井は「苦しい展開が続いているのかなと思っていた」と振り返った。藤井は同組の成績は8勝1敗。無敗で単独首位だった佐々木勇気七段が敗れ7勝1敗となったため、藤井は単独首位に立った。最年少名人への戦いが続く。

藤井にとっては大躍進の1年となった。今年は、棋聖と王位を初防衛し、新たに叡王、11月には竜王を獲得して史上最年少4冠になった。21年について「全体として実力以上の結果が出せて、いい経験ができた1年でした」と振り返った。

年明けから最年少5冠をかけて渡辺名人との王将戦7番勝負に臨む。来春以降は叡王戦、棋聖戦、王位戦、竜王戦と防衛戦が続く予定。