国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(46)らを乗せたロシアの宇宙船ソユーズMS-20が20日午後(日本時間)、8日に打ち上げが行われたカザフスタンの平原に着陸し、12日ぶりに地球に帰還した。着陸地点は、カザフ高地の町ジェスカスガンとバルハシ湖の中間付近とみられる。元TBS記者秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目の日本人の商業宇宙飛行に挑んだ前澤氏は、ISSに滞在する日本人で最初の民間人となり、同所に12日間滞在した。

前澤氏と、動画の撮影のために同行した関連会社役員の平野陽三氏(36)、そして操縦士のアレクサンダー・ミシュルキン宇宙飛行士(44)が搭乗したソユーズは、午前11時19分(同)にメインエンジンが点火し、同47分に前澤氏らが乗った帰還モジュールが分離し、同50分に大気圏に突入。メインパラシュートは同58分に開き、予定通りカザフスタン上空まで至ったが、現地が荒天のもようで着陸の瞬間の映像はなく、着陸も予定されていた同12午後0時13分を若干、過ぎた。

前澤氏は同日午前5時4分(日本時間)に、先に滞在していた宇宙飛行士と抱き合い、ISSとつながったハッチからソユーズに搭乗。そして、ISSに向かって笑顔で手を振って別れを惜しむと、双方をつなぐハッチが閉じられた。

その後、同8時34分(同)にソユーズとNASAとの交信の中で「ちょっと待ってくださいね」、同40分には「42分からアンドッキングだから…本当に、全然、電池が持たないんで」などと、前澤氏とみられる日本語の声が飛び交った。そして同42分にソユーズとISSとの連結を解く、アンドッキングのミッションに入った。やや時間がかかり、同52分にソユーズはISSとのドッキングを解かれ、宇宙空間に飛び出した。

前澤氏は、8日午後0時38分(日本時間同4時38分)に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたソユーズに乗り込み、打ち上げられた。打ち上げから約6時間後の同6時48分(同10時48分)に、ソユーズはISSとのドッキングに成功。8日午後9時11分(日本時間9日午前1時11分)に双方がつながったハッチが開けられ、前澤氏らはISS内に入った。

前澤氏は、期間前日19日午後11時52分のツイートの中で

「あっという間の宇宙での12日間でした。このあと宇宙服に着替えてソユーズ宇宙船に乗り込みます。ISSの日本上空通過は日本時間朝5:35頃。ちょっと朝早いけど見上げてみてね。その後ISSから離れ、カザフスタンの野原に約7時間後の日本時間昼12:13頃にパラシュートで着陸します。それでは帰ります!」(コメントは全て原文のまま)

と、帰還に向けたコメントを発表していた。

米航空宇宙局(NASA)は、前澤氏と平野氏にとって、今回が初の宇宙飛行であるとした一方、13、17年に続く3度目の宇宙飛行で、長期滞在も経験しているミシュルキン宇宙飛行士が、ISSでの滞在日数を346日に伸ばしたと報告した。