将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)に挑戦する、第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局が22、23の両日、大阪府高槻市の温泉旅館「山水館」で行われる。

今シリーズは将棋界にある8つのタイトルのうち、7つを占める「4冠×3冠」の頂上決戦。藤井が初の王将奪取、史上最年少5冠に向け、連勝するか。4連覇を狙う渡辺が巻き返すか。両者は21日、対局会場での前日検分後、意気込みを語った。

第1局の大熱戦を制した藤井は今回は後手番となる。「先手番の渡辺王将の作戦に、しっかり考えて対応できれば」。渡辺とは3度目のタイトル戦となり、過去2度の棋聖戦はいずれも破っている。過去の対戦成績は藤井の9勝2敗。大きくリードしている。

対局場の高槻市を訪れたのは初めてという藤井は四季折々の景色を楽しめる摂津峡にある対局場について「高槻駅から車で約20分。落ち着いた雰囲気で不思議な感覚。都市と自然が調和している」と感想を口にした。

高槻市には23年度中に日本将棋連盟関西本部の本拠地・関西将棋会館(大阪市福島区)が移転する。関西本部所属に所属する藤井は、移転後は「西の聖地」となる同市で対局を重ねていくことになる。

市文化スポーツ振興課の担当者は「4冠対3冠の戦いに市民も注目しています。移転と、今回の対局を追い風に“将棋のまち”として盛り上げていきたい」と“藤井効果”に期待を寄せる。キリシタン大名・高山右近らが城主だった高槻城跡からは江戸時代の将棋の駒が出土している。藤井が新聖地となる「将棋のまち」で“初白星”を狙う。

【松浦隆司】