英国のエリザベス女王(95)が、ロシアの侵攻が続くウクライナからの難民を支援するため多額の寄付をしたことが明らかになった。

英赤十字など15の慈善団体で構成される英国の災害緊急委員会(DEC)が4日、「DECウクライナの人道的支援に寛大な寄付をしてくださった女王陛下に感謝します」と公式ツイッターに投稿した。バッキンガム宮殿は、エリザベス女王が個人の所得からウクライナの人道支援のために寄付したことを認めているが、具体的な寄付金額は明らかにしていない。

DECは、他国で災害や戦争が発生した際に寄付金を集めて被災者を支援する救援活動を行っている。ウクライナ支援のために集められた寄付金は、ウクライナに隣接するポーランド、ハンガリー、モルドバ、スロバキア、ルーマニアに渡った難民を支援する団体に分配され、食糧や水、医療援助などの提供に使われるという。

政治的中立を保つエリザベス女王は、ロシアのウクライナ侵攻について公に発言を行っていないが、孫のウィリアム王子とキャサリン妃夫妻はウクライナの人々と同国のゼレンスキー大統領を支持するメッセージをツイッターに投稿。王位継承第1位のチャールズ皇太子もそれに続き、「民主主義、開かれた社会、そして自由に対する攻撃」と異例の政治的発言を行い、ウクライナ支援を表明している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)