元日弁連会長の宇都宮健児弁護士(75)9日、東京・新宿で行われた社民党の福島瑞穂党首(60)の、参院選投開票前最後の演説の応援に駆けつけた。宇都宮氏は、自民党の安倍晋三元首相が前日8日に奈良市内で参院選の街頭演説中に銃撃され、亡くなったことについて言及。「戦前、1932年(昭7)の五・一五事件、36年の二・二六事件…こういうテロ事件で多くの政治家が暗殺されました。これは戦争の道です」と警鐘を鳴らした。

宇都宮氏は「昨日は大変、ショッキングな事件が起こりました。皆さんも、そう感じていると思います。安倍元首相が、テロに倒れて亡くなりました」と安倍氏の死について触れた。その上で「安倍元首相と私は大変、考え方は違うと思いますけど、このような言論封殺のテロ、民主主義に対する挑戦は絶対に許してはならないと思います。謹んで哀悼の意を表したいと思います」と弔意を示した。

そして「これは戦争の道です。今の日本も、そういう方向に向かいつつあります。しっかりと戦争の道を阻んで、止めて日本の社会の言論、民主主義を守るためには福島さんが絶対に必要」と訴えた。

◆五・一五事件 32年5月15日 犬養毅首相が官邸にいた際、海軍青年将校の襲撃に遭い、射殺。後に、五・一五事件と呼ばれた

◆二・二六事件 36年2月26日 高橋是清蔵相が、クーデターを起こした陸軍内の皇道派の青年将校に殺害された。後に二・二六事件と呼ばれた