安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃されてから1週間が過ぎた15日、事件現場の奈良・大和西大寺駅前には大勢の人が集まった。

改札口付近から花を持った人が途切れることなく、献花台には朝から行列ができた。手を合わせながら涙を流す人も見られた。 花を入れる段ボール箱は先週末の土曜に700箱、日曜に500箱が届いたが、それでも追いつかないほどだという。

奈良県の国会議員の秘書らが献花台の収拾作業をしており「1日に何百箱という数になっている」と明かした。 大勢の人が献花に訪れていることから、花が痛むのを防ぐために、供えられたものは次々と箱に詰められた。

集められた花は西大寺で供養された後に、土に返すことになる。関係者は「花言葉に自由や不屈というものがあるのなら、安倍さんの遺志を受け継ぐという意味で、種として残すこともできないだろうか」としみじみと語った。

事件発生時刻の午前11時半をすぎると、突然、雨が降り出して10分ほどでやんだ。40代男性は「不思議ですね。これは国民みんなの安倍さんへの思い。涙雨が降ったのでしょうか」と空を眺めていた。 献花台にはたくさんのメッセージもあり「今まで日本を背負ってくださり、ありがとうございました」などと記してあった。 献花台は18日まで設置される予定だという。