日本共産党の志位和夫委員長(68)は29日、国会内で定例会見を開いた。同日午前に衆院議長の細田博之氏(78)が世界平和統一家庭連合(旧統一協会)との関係について、会見を開かずに文書1枚にこれまでの経緯を説明して「関係をもたないよう、適切に対応してまいりたい」と結んだ文面について怒りを表明した。

細田氏の文書のコピーを右手に持った志位氏は「文章は拝見した」と冷静に話して「書いてあるだけで8つの接点がある。まさにズブズブ、ってことです。最大の広告塔であったことがこの文書からはっきりしました」と切り捨てた。

また、細田氏の書いた内容についても「大変不誠実な文章だと言わざるをえない。これまでに(細田氏が)しゃべったことについて書かず大事なことは隠蔽(いんぺい)している」と指摘し「一切反省が書かれていない」とあきれたように話した。

10月3日から69日間の臨時国会が開かれるが「私たちとしてはこんな紙切れ1枚で済んだということはならない。細田議長には議院運営委員会など国会の場に出て国民の前で説明責任を果たす、真相を明らかにする、ということを強く求める」と訴えた上で「それができないのであれば、(細田氏は)議長を即刻辞任してほしい。できないとなればそれは議長失格ですね」と語気を強めた。

最後に志位氏は2枚の文書を両手に持って静かに話した。左手の文書を掲げて、参院議長の尾辻秀久氏(81)が世界平和統一家庭連合との関連について「一切ない」と発表した内容で文末に「参議院議長」と書いたことを明らかにした。対して右手に持った細田氏の文書について、細田氏が議長ではなく「衆議院議員」と名前とともにも記していたと指摘。志位氏は「さすがに恥ずかしくて議長とは書けなかったのだろう」と文面の末尾に視線を落とした。