作家で昨年参院選の東京選挙区に出馬して落選した作家の乙武洋匡氏(46)が26日、東京・飯田橋駅前で街頭演説を行った。

乙武氏の主宰する「未来をつくる政治塾」の塾生、富山葵弓(とみやま・あゆみ)さん(28)が4月の統一地方選の千代田区議選(4月16日告示、同23日投開票)に出馬表明する応援に駆け付けた。また、乙武氏は統一地方選における自身の出馬に関しては「考えていない」ということを明らかにした。

富山さんは大学4年時の2016年7月、交通事故に遭った。意識不明の状態から約4カ月後に会話ができるようにはなったが、右手が動かなくなり、左足の歩行が困難という身体障がい2級というハンディキャップを抱えることになった。厚生労働省で大臣官房で働いていたが「誰が障がい者になっても生きやすく選択肢を増やしていける社会」を目指して千代田区議選への立候補を決意したという。

昨年12月に乙武氏の「少数派にも開かれた社会の実現」という理念に共鳴して入塾。25日に3カ月の全日程を修了した。富山さんは「乙武さんは私にとっては師匠のような存在」と話し、街頭演説を見守った乙武氏も「私と考え方は似ていると思います。決定的に違うのは、私は最初から障がい者だけど、富山さんは健常者も障がい者の両方の経験を持っていること」と前置きをして「生まれて初めての街頭演説で緊張したとは思いますが、富山さんの思っていることを伝えることはできたんじゃないかなと思います」と合格点を出した。

乙武氏の政治塾には25人が参加していて、富山さんも含めて3人が4月の統一地方選に出馬を予定している。乙武氏は「3人のうち1人は徳島県で2選目、もう1人は杉並区での新人ですがインターネットでの選挙活動にこだわるようなので、私は腹をくくって富山さんを応援していきたいと思っています」と話した。

乙武氏のもとには塾生以外にも応援要請が殺到しており、内容を精査して「多くの候補者と並びたい」とも語った。【寺沢卓】