双子のヒップホップユニットで、「フリー素材アイドル」として活動した「Mika+Rika」のMikaこと、中村美香氏(36)が埼玉県議選の南1区(草加市、定数3)の新人候補として、日本維新の会初の議席をもたらした。自民と公明の現職、立民の新人と議席を争った。自転車で同市内をくまなく回る草の根の選挙戦を展開。セカンドキャリア支援や、子育て施策を訴えていた。

午後11時すぎ、当確の一報が出ると支持者の待つ事務所に姿を見せた。選挙戦で行動を共にした地元草加市出身の青島健太参院議員(65)と並んで万歳三唱を行った。感極まりながら、「選挙戦の期間中、草加市民の皆さまが温かい声をかけてくれたのがうれしかった。地域に身近な存在であり続けたい」と話した。

中村氏は越谷北高~法大卒。勤めていた大手商社を辞め、今回、南10区(さいたま市南区、定数2)で立候補した、妹梨香氏(36)とユニットを結成した。2014年(平26)12月、写真の肖像権や著作権を放棄。日本初のフリー素材アイドルとなった。

さらに19年には「グリーンバックアイドル」として活動を開始。緑色の背景を背負った2人が企業を訪問し、要望に合わせてポーズをとって撮影に応じた。それを好きに切り取ったり、合成して広告として使用できるようにした。目新しいこのアイデアが認められ、同年の国際レベルの広告賞も受賞した。

アイドル活動を進めていくうちに、「皆の声を政治の場へ届けたい」と立候補の決意を固めた。今年1月、そろってインスタグラムで表明した。政治の勉強のため、同県選出の同党参院議員秘書もしていた。美香氏は「梨香が午後4時から終電まで駅頭に立っていたと聞いて、私も刺激を受けた。お互い別の場所で政治活動をすることで、刺激し合う部分もありますし、うまく連携もしていきたいです」とした。

なお、妹の梨香氏は落選した。