プロ野球阪神が18年ぶりのリーグ優勝を決めた14日夜、大阪・ミナミの戎橋周辺には阪神ファンらが集結した。戎橋の上ではスマートフォンを片手に「あと1人」コールを連呼し、その瞬間を収めようとした。優勝が決まると、「バンザイ!」と叫び、六甲おろしを熱唱した。トラの法被を着た30代の会社員の男性は「18年ぶりのアレ、いや優勝か。長かったわ」と涙ぐんだ。03年の星野阪神優勝時には約5300人が道頓堀川へ飛び込んだ。

大阪府警はミナミを中心に、約1300人の厳戒態勢を敷いた。府警は戎橋の両側に警官を配置。見せる警備で、隙あらば、道頓堀ダイブを試みようとするファンとの駆け引きが続いた。

道頓堀川にかかる戎橋周辺には歩行者を誘導する「DJポリス」を配置。ナニワのDJポリスはハンドマイクで「阪神ファンのみなさま、優勝おめでとうございます。18年ぶり、ご苦労もあったと思います」と呼び掛け、「阪神ファンの熱気に負けないように、私たちも熱意を持って警備に当たります」。1平方メートルに10人以上が密集した状況で起きやすく、人々が次々と転倒する「群衆雪崩」を防ごうと、注意を呼びかけて安全確保に努めた。

戎橋の欄干は警察官ががっちりガードしたが、戎橋から太左衛門橋に至る道頓堀川の両岸約170メートルの遊歩道「とんぼりリバーウォーク」は“開放”した。約1メートル下の道頓堀川へ“プチVダイブ”をする数人の若者もいた。外国人観光客、YouTuberも集結。水着の女性も登場したが、プチダイブを“ちゅうちょ”するシーンも。

戎橋周辺には、「道頓堀Vダイブ」の“観覧”、あおり防止の“目隠しシート”が張られた。道頓堀橋の東側をブルーシートで覆った。戎橋の方向を見えなくして通行人らが滞留したり、ダイブをあおったりするのを防ごうとした。スポーツバーで観戦したファンが戎橋に集結すると、戎橋を一時“封鎖”するなど、柔軟に対応。午後11時すぎまで、戎橋からの道頓堀Vダイブはなかった。【松浦隆司】