東京・神宮外苑の再開発計画をめぐり米国人経営コンサルタントのロッシェル・カップさん(59)が25日、約22万4000人に上ったオンラインの署名者を代表して、文部科学省に計画の見直しを求める要望書を提出した。

要望書では秩父宮ラグビー場の位置変更に伴う新設工事により「建国記念文庫の森をはじめとする神宮外苑の樹木、その文化遺産としての価値が破壊される」とした。計画では文化交流施設を兼ね備えたラグビー場の新設を予定している。カップさんは文科省内で記者会見を行い「本当にイベントのスペースは需要があるのか。新国立競技場もほとんど使われていない状況。新しい施設も使われない施設になるんじゃないかという心配がある」と話した。また、新競技場が人工芝のグラウンドになることや観客の席数が4割減ることを指摘し「スポーツ庁、日本スポーツ振興センターはスポーツを奨励する組織なのに、なぜラグビーを優先しないイベントスペースを作るのか」と訴えた。再開発では既に神宮第二球場の解体工事が進んでいる。【沢田直人】