岸田文雄首相は28日の参院予算委員会で、国民の間から実現を求める声も多い消費税減税について「引き下げについて国民の皆さんの中から声があることは承知しているが、政府としては可処分所得を支える方策として別の政策を用意しています」と述べ、消費税減税には踏み切らない考えをあらためて示した。

れいわ新選組の山本太郎代表の「国民の声をそろそろ聞いていただいてもよろしいでしょうか。声は聞こえていますか、聞こえていませんか」との質問に対する答弁。

一方、政府や自民党が消費税減税に消極的な理由の1つに「時間がかかる」ことを挙げていることの是非を問われると「(税率)変更に当たって値札の張り替えや、システム改修など相応の準備が必要。(海外とは)事情が大きく異なっている」と述べたが、その後、山本氏が、海外で消費税に当たる付加価値税の税率を変更するのに要した日数について英国は7日、ドイツは28日、アイルランド23日、マレーシア16日というデータがあることをフリップで指摘。「値札を付け替えるのに時間がかかる、減税まで半年、1年…こういう(ことを言う)ぼんくら議員は引退すべきだ。やる気がないだけだ。さっさとやってくださいよ」と、首相に苦言を呈した。

山本氏に「消費税の悪影響を教えてほしい」と問われた首相は「全世代型の社会保障制度、少子高齢化の中で構築していく中で、財源を大事にしないといけない観点から、この減税は考えていないと申し上げている。弊害というより、この消費税そのものの位置づけを考えて、減税は考えていないと申し上げている」と訴えたが、質問内容とかみ合わず、山本氏に「悪影響もしゃべれないんですね。ペラペラの答弁ですよ」と皮肉られる場面もあった。