岸田文雄首相は19日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて岸田派(宏池会)を解散すると明言した。

18日夜に、岸田派の解散を突然表明した際には「検討している」としていたが、この日は「政治の信頼回復のために宏池会を解散すると(18日に)申し上げた」と述べ、はっきり「解散する」と口にした。

首相の発言を受けて、安倍派の派閥解散も不可避との見方が強まっているが、「ほかの派閥のありようについて申し上げる立場にはない」と他派閥の対応については言及をしなかった。 今後、党として安倍派幹部への処分を検討しているとの報道もあるが、首相は「その点については、今現在、捜査が続けられている。今後、結果が出てくると考えているので、結果を見た上で適切なタイミングで対応を考えていきたい」と述べ、安倍派幹部への処分を否定しなかった。

首相の岸田派解散発言に対しては、現在、派閥のあり方を含めて首相が本部長を務める党の「政治刷新本部」で、今月中の中間とりまとめに向けた議論のさなか。唐突な電撃発表には自民党内で違和感を唱える声も多く、予想以上の反発が拡大している。

主要派閥の支えを得て自民党総裁に就任し、茂木派や麻生派との「トロイカ」体制で乗り切ってきた首相が突然、派閥解散に言及し、他派閥にも影響が出るのは避けられないだけに「首相は恩知らずだ」の声も出ている。

首相は、刷新本部での議論について「今、国民のみなさんから派閥というものが金やポストを求める場となっているのではないかという疑念の目が注がれている。疑念を払拭(ふっしょく)して信頼を回復するためにルールについて考えていかないといけない。まだ議論が続いている最中です」と述べた。