コメをめぐる一連の失言で辞任不可避とみられていた江藤拓農相は21日朝、首相官邸に入り、石破茂首相に辞表を提出した。石破首相は辞表を受理した。江藤氏は辞表提出後、官邸ロビーで報道陣の取材に応じた。おもな発言は次の通り。
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ただいま、辞表を提出してきました。 私としては、今、国民のみなさま方が米の高騰に大変ご苦労されている中、書簡大臣として極めて不適切な発言をしてしまった。 あらためておわびを申し上げたい。
今後、まさにコメの政策は正念場を迎える。私が引き続きトップを務めることが適切であるかといえば、私自身、私ではいけないという判断をした。
(石破首相には)「あなたの決断を、何とおっしゃいましたかね…了とします」というような言われ方をしました。その後は慰労をしていただいたり、これまでのことについて、いくつか話しました。
正直申しますと、早い段階から(辞表提出は)考えていた。しかし前回(官邸に)うかがった時に、厳しく叱責(しっせき)されながらも激励された。それなら頑張ろうという気持ちになったが、昨日の委員会でもさまざまなご指摘をいただいた。その中で自分の身は自分で律するべきということを、かつて言ったことがあるという指摘もあった。確かにその通りだと思った。
これから、何としても米価を下げないといけない。そのためには、国民のみなさんの信頼が欠かせないが、その信頼を損なってしまったということなら、私が一線から身を引くことが国民のみなさんにとってもいいことだと判断した。
この約7か月間、自己評価するわけではないですが懸命に働いた。それよりも、農林水産省の諸君は備蓄米の放出という困難に、私といっしょにチームとなって戦ってくれた。心からお礼を言いたい。
もう1つだけ言わせてください。前回の選挙は大変厳しい選挙でしたが、8回目の当選を果たさせて頂き、再入閣の折にはまさにわがことのように喜んで、立派なお祝いもしてくださった。そういった方々はたいへんがっかりしておられます。そんな私を応援し、信じてくださった方々に対して、この機会におわびをも申し上げたい。
(辞意を決めたタイミングを問われ)昨日の参院の委員会で法案の採決が終わり、委員会室を出て車に乗ったタイミングくらいで「ああ、これが最後だな」と思った、(午後)2時すぎくらいですかね。まっすぐ家に帰ってじっくり考えて。でも、決心したのは委員会終了後ですね。
政治家ですから、いろんな思いはある。私はこれからの5年で農業の構造改革をするんだと。初年度はロケットスタートするという思いでやってきた。5カ年の青写真を描くまでは、正直、やらせていただきたかった思いはあるが、コメの発言によって、農政全体の指揮を執る資格を失った。後任大臣にしっかり私の考えを伝え、私の思いもくんでいただき政策を前に進めていただきたい。
(後任大臣に求めることは、と問われ)後任大臣は私ではありませんから、私の政策をそのまま引き継がないといけないことではない。新たな発想や方法論は出てくるかもしれないが、とやかく言うつもりはない。
ただ、4回目の(政府備蓄米)放出を控えており、マーケットと戦うことの困難さを痛切に感じている。工夫はしたが、なかなか結果が出ていないことは自分としても心苦しい。非常に焦りも感じ、無念の思いはあります。これから、4回目(の入札)。これを言うとまた怒られるかもしれませんが、ぜひ(放出分10万トンのうちの)6万トンの枠を消化するには、すべて精米するのは難しいです。小売りでも、大手スーパーでも、玄米での販売にぜひ踏み切っていただき、お手数ですが、消費者の方々には、町の精米所、東京にはなかなかないかもしれないが、地方にはたくさんある。コイン精米所を使ってほしい。精米したてのコメは大変おいしい。そういった工夫も消費者の方にしていただき、コメの流通を早くする。私が先週買ったコメは税込みで(5キロ)3480円。安いとは思わないが、平均価格からは、はるかに安い。平均では高値が続いているが、さらに値上がりしたという評価しかできないが、安いコメも備蓄米放出で一定程度は進んでいるのも事実。それがどこに店舗に行ってもあるという状況ではない。なんとか解消すべく4回目の(放出に向け)工夫を行った。実効性を発揮することを期待している。
今回の入札の8割はいわゆる古古米ですが、味覚的には全く問題はありませんが、常識的には6年産米よりは市場価格は当然低く評価されるべきだと思っている。価格に介入するのは不適格ですが、できるだけ安い値段で、集荷業者の方々も落札していただきたいというのが、最後の私の切なる思いです。

