参院選で惨敗した石破茂首相に対する自民党内の圧力に25日、ベテラン議員が苦言を呈した。23年ぶりに復党した鈴木宗男氏(77)は「執行部の責任を問う前に、裏金問題のけじめをつけないと党の再生はない。責任は全員にあり執行部だけに矢を向けるのはフェアじゃない」と、強まる「石破おろし」をいさめた。一方で、党青年局は執行部に選挙総括後の辞任を申し入れた。また、議決権のある両院議員総会の招集要求に必要な数の署名も、集まった。自民党内の混乱は、泥沼化する一方だ。

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日々強まる「石破おろし」の動きに、宗男氏がほえた。23年ぶりに復党した自民党で今回議席を得た宗男氏は25日、総務省で当選証書を受け取った後、首相への退陣圧力について報道陣に問われ「執行部の責任を問う前に、裏金問題のけじめをしっかりつけないと、自民党の再生はない」と訴えた。

離党期間はあるものの、政権中枢にも身を置くなど自民での活動歴が長い宗男氏は「もともと自民党はいろんな意見がある幅のある政党だった」と述べ、退陣要求を突きつけた青年局の動きについても、「これはこれで、当然の主張だ」と理解を示した。

一方で「選挙戦では『裏金問題のけじめが甘い。責任を取っていない』と行く先々で言われた。党内で、特に裏金が指摘された議員が何もなかったように振る舞い、執行部批判をしている。こういうのを許したら、逆に党がもたない」と、裏金問題が指摘された議員に対する批判を強めた。

「昨年の衆院選、今年の参院選は、石破総理や執行部の責任ではなく裏金問題を引き起こした派閥、届け出をしなかった本人方の責任と、私は思っている」とも主張。自身に北方四島支援をめぐる疑惑が浮上した際は「自ら離党した」と述べ「ロッキードやリクルート、消費税の時も大変だったが自民党はまとまってきた。今は、何となく強い声を、徒党を組んで発信すればそれが正義、みたいな流れがある」と苦言交じりに懸念を示した。

今回の「石破おろし」の背景には、裏金問題の発端となった旧安倍派のほか旧茂木派をはじめ、首相と必ずしも良好ではない勢力の動向が見え隠れしている。執行部は、28日に2時間の予定で両院議員懇談会をセットしたが、反執行部勢力は「ガス抜きの場」と冷ややかだ。首相の発言次第では、直接「石破おろし」につながる可能性がある両院議員総会の開催を求める声が確実に強まるが、宗男氏は「自民党を立て直すにはどうする、という議論が大事。ただ権力闘争的な流れをつくるのはいいことではない。冷静になることだ」と、訴えた。

石破首相はこの日、トランプ関税交渉をめぐり国会内で与野党党首会談に臨んだが、複数の党首が、首相の強い続投意向を感じたことを明かした。一方で、党内では「石破おろし」が強まる。「久しぶりに、自民党が分裂しかねないような危機感を覚える」。永田町関係者がそう口にする自民党内政局は週明け、大きなヤマ場を迎える。【中山知子】