藤井聡太王座(23)が同学年の伊藤匠叡王(22)の挑戦を受け、将棋の第73期王座戦5番勝負第4局が7日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われ、先手の藤井が伊藤を下した。かど番をしのいで2勝2敗に追いつき、フルセットに持ち込んだ。

このまま大逆転で防衛して3連覇を達成するのか。王座戦初挑戦の伊藤が昨年6月の叡王戦5番勝負に続いて最終局を制し、王座を奪取するとともにタイトル獲得通算3期として九段に昇段するか。最終第5局は28日、甲府市「常磐ホテル」で行われる。

「ひふみんEYE」でおなじみ、加藤一二三・九段(85)が対局を振り返ります。

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藤井王座はこの対局が勝負どころで、負けられないという重要性を知っています。だから、伊藤叡王が角を4筋に繰り出してきた新手に対し、じっくりした戦い方を選んで冷静に対応していました。

じりじりとした流れが続きましたが、中盤に天王山にいた角を2筋まで引きました。局面を動かし、流れを変えました。第4局前日に「決断良く指したい」と話していたそうですが、これがその象徴的な一手でしょう。

藤井王座に連勝してかど番に追い込んだ伊藤叡王ですが、藤井王座の2筋への角引きへの応手を間違えました。2筋の歩を伸ばして桂を取ったのが緩手。ここは遊び駒の活用を図れば、面白かったかもしれません。とはいえ、簡単には土俵を割らない終盤の粘りは脅威です。

シリーズはこれでやっと五分と五分。藤井王座が追いついたから有利という訳ではありません。こちらは竜王戦とタイトル防衛戦をかけ持ちしています。伊藤叡王は王将戦挑戦者決定リーグがあります。戦いのレベルは違うかも知れませんが、条件は一緒です。28日の第5局は、今年の将棋界最大の大一番になりそうです。(加藤一二三・九段)

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