藤井聡太王将(竜王・名人・王位・棋聖・棋王=23)が黒星発進した。昨年に続いて永瀬拓矢九段(33)の挑戦を受ける、将棋のALSOK杯第75期王将戦7番勝負第1局は12日、静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」で行われた。11日午前9時からの2日制で行われた対局は、角換わりから先手の永瀬に攻勢を許す。反撃して盛り返し、接戦に持ち込んだが及ばず、投了に追い込まれた。過去8戦8勝と相性が良かった静岡県での26年のタイトル戦防衛ロード初戦でつまずいた。巻き返しを図る第2局は24、25日、京都市「伏見稲荷大社」で行われる。
藤井が苦しそうな表情を見せた。まとめづらい陣形の不備を突かれ、永瀬の仕掛けへの対応に追われる。常に先行を許す展開に時折うなだれたり、こめかみに手を当てて考え込む。永瀬の踏み込みに対し、あっさり「落城」した。
2023年(令5)8月、8冠全制覇を目指した王座戦5番勝負の第1局で永瀬に敗れた後、同年竜王戦からタイトル戦ではこれで16戦連続して対戦相手よりも先に1勝目を挙げていた。これが止まった。7月に24歳となると年男の、午(うま)年のタイトル戦初戦はウマくいかなかった。
次は3年前に8冠全制覇を果たし、昨年11月の竜王戦で5連覇と「永世竜王」の資格を得た京都府での対局だ。こちらは過去10戦10勝と相性がいい。先手番となるここで追いつけば、改めての5番勝負へと持ち込める。正念場だ。

