元大阪地検検事正が部下への準強制性交罪に問われた事件をめぐり、被害を訴える元女性検事のひかりさん(仮名)が1日、東京都内で記者会見し、手続きが完了し8月末で退職したことを明らかにした。4月末に辞表を提出していた。

ひかりさんは、「私は検事の仕事が大好きで、天職だと思って仕事をしてきましたが、8月末にバッジを返却し、検事の仕事を失いました」と述べ、「なぜ被害者である私が仕事を奪われ、職場を追われなければならないのか。言葉にならないほどの絶望とくやしさ。尊厳を踏みにじられ、むちゃくちゃにされ、すべてを奪われた」と、声を震わせ涙ながらに訴えた。

元大阪地検トップ北川健太郎被告から性的被害を受けたと訴えているひかりさんは今年2月、同僚の副検事が自身の名前や誹謗(ひぼう)中傷を周囲に拡散しているのを知りながら検察組織が止めず、二次被害を拡大させたなどとして、国などを相手取った裁判を起こしている。副検事に対しては、名誉毀損(きそん)などの疑いで告訴するなどしていたが、大阪高検は昨年3月、不起訴処分としている。

ひかりさんは、検察による副検事に対する処分について「この事件をけしてあきらめず、不当不起訴にされたものを検察審査会に申し立てている。市民の代表である検察審査会のみなさんは、この犯罪をきちんと『起訴相当』にしていただくよう、市民のためにも心よりお願い申し上げたい」とも訴えた。

また、かねて主張している検察改革をこの日も訴え、「検察に自浄作用はありません。第三者の監視の目を入れましょう。まずは第三者委員会設置へ、よりたくさんの方々に声をあげていただくよう心よりお願い申し上げます」と述べた。

北川被告は、24年10月の初公判で起訴内容を認め謝罪したが、その後の同年12月、無罪主張に転じ、これまで第2回公判の日程の見通しが立っていなかった。会見に同席した代理人弁護士によると、裁判所側からは、10月に第2回公判を実施し、来年3月に判決を言い渡すまでの日程の申し出が「一方的に」あったという。代理人弁護士は「本当に争点整理が終わっているのか。私たちは全く終わっていないと思っている」と主張した。

また、ひかりさんは、重度のPTSDを負わされており、現在の起訴罪名である準強制性交罪から裁判員裁判対象の準強制性交致傷罪への訴因変更を求めているが、裁判所側からは訴因変更はしないと伝えられたとしている。