サマーマイルシリーズ最終戦・京成杯AH(G3、芝1600メートル、11日=中山)で、ベレヌス(牡5、杉山晴)がシリーズチャンプを狙う。

前走中京記念を鮮やかな逃げ切りで制し重賞初制覇。10ポイントでシリーズ2位につけ、逆転優勝への条件は1着のみ。再び果敢な逃走劇でサマーマイル王の称号を手にするか。

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ベレヌスが好調をキープして“最終決戦”に臨む。

7日の最終追いは坂路4ハロン56秒0-12秒2。数字は目立たなくとも、動きは目立った。リズミカルできれいな走り。ラストは馬なりのままビュッと伸びてフィニッシュ。「相変わらず鋭い脚、いい動きだった」と杉山晴師も納得の表情だった。

前走中京記念は逃げて重賞初制覇。外枠からスタートして加速すると一気にハナへ。2ハロン目に11秒4を計時し、そこからスローペース。前半4ハロン48秒1、後半4ハロン46秒0。西村淳騎手の手綱さばきは見事だった。「やっぱり、ジョッキーと手が合っているなと思った。100点の騎乗をしてくれた」と師は信頼を寄せる。

いざ重賞連勝へ。1週前の8月31日には同騎手が騎乗し、Cウッドでミスニューヨークに2馬身先着。最終追いも思惑通り。師は「前走はピークの仕上げだった。今回はどこまでそこに持っていけるか。状態がいいのは間違いない。ローテも無理のない間隔で、レースで走れる態勢です」。

逆転サマーマイルチャンプの条件は1着のみ。馬の成長に伴い二の脚の速さに磨きがかかった。果敢に先手を取り、再度のマイペース逃げに持ち込めば勝機は十分だ。鞍上はサマージョッキーズシリーズで3位タイ。勝てば人馬で「夏王」に輝く可能性もある。「中山マイルは条件的には合っている」と師。今回で14度目のコンビとなる鞍上が、またも“100点”のレースを演出するか。【網孝広】

◆サマーマイルシリーズ優勝のゆくえ 優勝条件は対象レース1勝以上かつ12ポイント以上。現在は米子S(リステッド)、関屋記念(G3)を連勝したウインカーネリアンが18ポイントで首位に立っている。京成杯AH出走馬で夏のマイル王になる可能性があるのは中京記念を逃げ切ったベレヌス1頭だけ。ここを勝てば計20ポイントで逆転優勝となる。